マレーシア　クアラルンプールサロン（2）から、住んでみてわかった！知っておけばトラブルを回避できるポイントをレポートします。

食生活の違い、宗教の違い　～カレーを出したパーティの出来事～

マレーシアと日本との違いはたくさんありますが、やはり大きな違いは、宗教による違いではないでしょうか。私が来馬してまもない頃、友人宅でホームパーティを開くことになりました。そこで私が考えた料理が、日本式カレー。
パーティにやってきた人々は興味深く見るだけで一向に箸を付けようとはしてくれません。そのうちの一人がカレーの中身は何が入っているのか質問してきました。
「ジャガイモと、人参と…」　しかし知りたかったのは、カレーのルーに含まれる原材料まで全てだったのです。ルーに含まれるポークエキス、ミリン。内容を知ると皆の顔が引きつり、ざわつき始めました。
これは大袈裟ではなくキッチンに取って返した友人は、キッチンで使用したフライパンや鍋、まな板、包丁に至るまで全てを処分すると言うではありませんか。イスラム国であるマレーシアでは豚肉はもちろん、酒類もご法度です。触ることはもちろん、食すなど考えられないのです。イスラム教に対して全くの無知であった私は、宗教の違いに驚き、大変申し訳ないことをしたと深く反省したのでした。

冷たい麺も不人気です

大人数で食事するのがマレーシアスタイル
写真提供：ロングステイ財団公認サロン

アジア諸国の多くの国では、素麺などの日本の夏には欠かせない冷たいヌードルが見当たりません。そこで、親戚一同に素麺を振る舞うことにしました。しかし。これが全く人気が無い。わざわざ麺を氷で冷やし美味しそうに食べている私を奇異の目で見つめているだけです。義母曰く、「こんなに冷たいヌードルは食べられない」と…マレーシア人は炎天下であろうと熱々のヌードルを汗をかきながら食べているのです。嫁の株が一気に下がったのでした。
また、ヒンドゥー教であるインド系の人々は牛肉を食べません。牛は母なる神なのです。
宗教は違えど、家族を大切にするこの国では、大人数で食事をするのが日常です。マレーシアでは、日本のように一人ずつ皿に盛り付けをしてなどとはしません。大皿に盛りつけたものを各自の皿に移し、ごちゃ混ぜにしてから食します。家族や仲間とその日にあったことを話題にしながら、ワイワイと楽しく食事をする風景をよく見かけます。日本では忘れてしまった大切なものがここには健在し、家族の温かみや調和を感じることができます。

マレーシア　クアラルンプールサロン（2）　レポート：古橋 のり子