コスタ・デル・ソルではマラガサロンが運営している短期滞在用のマンションがあります。
ここからお手軽に出かけられる世界遺産がいくつあるか調べてみました。こんなにあるんです。グラナダのアルハンブラ・アルバイシン地区、セビリヤ大聖堂・アルカサル・インディアス古文書館、コルドバ歴史地区、ウベダとバエサのルネサンス様式建築、ドニャーナ国立公園、アンテケラのドルメン遺跡、そしてジブラルタルのGorham's Cave Complexです。前回のコスタデルソル通信でジブラルタルをご案内しましたが、とうとうGorham's Cave Complexに行けたのでご報告してみましょう!
Gorham's Cave Complexの見学がとうとう実現!
ジブラルタルで唯一のユネスコ世界遺産、Gorham's Cave Complexの見学がとうとう実現!
NHKスペシャルを見て、これは行かねば!と数か月前に予約して今年最後(6-10月の間のみ)のツアーになんとか割り振られました。
この洞窟では約12万年前からの遺物が発見されており、3-2万年前まで世界で最後のネアンデルタール人が住んでいた場所ではないかと言われています。
ロックのこちら側は軍の設備がある関係上普段は一般人はアクセスができません。このツアーも途中で軍施設の一角を通るのですが、署名をして許可証を渡された上で通行するという厳重さ。ガイドはジブラルタル博物館の考古学専門家のフィルさん。見学者3名(もったいないことにあとの3名ドタキャン)の少人数。洞窟へはロックの斜面にへばりついた急な階段を下りていきます。岩は石灰岩で落石等の危険のため、皆ヘルメット着用です。
Vanguard Cave
最初に左手に見えるのが、Vanguard Cave、とても大きな洞窟です。かなり目の前まで波が押し寄せています。しかし当時は海面が現在よりかなり下にあって、洞窟の前には3-5キロほどの緩やかな平原が広がり、たくさんの野生動物、近隣の豊富な植生、ヨーロッパポイント(灯台)のあたりは海岸からの海産物も食用にされていて、非常に住みやすい環境だったようです。また洞窟の中には、湧き水があり飲料水もあったそうです。まるで「エデンの園」みたい。Vanguard Caveはまだ発掘が進んでおらず、今後さらに多くの人類の足跡が発見されることでしょう。
Gorham's Cave
Gorham's Caveへのアクセスは、結構冒険心を刺激されるルートで探検隊気分。洞窟の入り口付近までアクセスが許されています。高さ35メートルほど、奥行きは125メートル程度だそうです。毎年夏季になると、国際的な発掘作業が行われており、 ネアンデルタール人の暮らしぶりが次第に解明されています。雑食、猟をして火を使い12人ほどのグループで生活を送っていた。2012年にこの洞窟の床に線で刻まれた模様が発見されました。これが何を表しているのかは謎、ネアンデルタール人がこれまで考えられていた以上の知能を持っていたということは確かです。またこのように穏やかな環境で暮らしていた人々がなぜ滅びてしまい、現生人類が未曽有の増殖を遂げて栄えて行ったのか?我々の遺伝子の中には2-5%程度のネアンデルタール人のDNAが含まれていると言われています。彼らは遺伝子を残すためにホモサピエンスと交配したのか?今後の発見が楽しみです。
それにしてもこんな身近にこうした場所があるって嬉しいことです。
またイベリア半島の南というのは古来から自然災害も少なく気候に恵まれた場所だったんだと改めて気付かされました。