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公認サロン便り

神聖な静けさに包まれる、バリ島のお正月
サカ暦の新年「ニュピ」

バリ島では80%以上の住民がバリ・ヒンドゥー教を信仰しています。そのため、クリスマスやお正月に特別なお祝いやセレモニーは特に行いません。ただ、年越しをバリ島で過ごす観光客も多いので、近年はお祝いムードに包まれています。
ビーチサイドでは、毎年数千本の手持ち打ち上げ花火が上がり、友人や家族が集まってお酒を飲みかわし、魚のBBQなどを楽しみます。日本のような、年越しそばやおせちのように、この時期に必ず食べる名物料理などはありません。

バリ・ヒンドゥー教徒は「ウク暦」と「サカ暦」の2つの暦に従って生活しています。サカ暦の新年にあたる「ニュピ」は、バリ・ヒンドゥー教徒にとって、最も重要な日となります。ニュピの日は、外出・労働・火・灯り・電気の使用・殺生などが一切禁じられ、静かに瞑想して過ごすことが義務付けられています。

テレビ、ラジオもお休み

ニュピでの禁止事項は、バリ島にいる全ての人々が対象となるため、外国人観光客やヒンドゥー教徒以外の人も必ず守らなければなりません。バリ島内の会社や企業、レストランやお店だけでなく、デンパサール空港も閉鎖となります。ちなみに、小さな子供やお年寄りがいる場合は事前に申請をして、窓から灯りが漏れないように目張りをすれば、少しの灯りは室内で使用できます。
また、家の敷地内や宿泊施設内であれば、部屋を出て庭やプールで遊ぶことが可能です。スパやレストランの営業をしているホテルもありますので、ホテル内にいる分には不自由はありません。ただし、大声や大きな音楽を流すことは禁止されています。ニュピ当日は、テレビやラジオも放送休止となります

清々しい年の始まり

悪霊を退散させるパレード「オゴオゴ」

人々は「ニュピ」を、悪霊から隠れるための一日だと信じています。ここには、誰も住んでいませんよと思わせ、悪霊が退散するのを待つのです。悪霊退散のために欠かせないのが、ニュピの前日に行われる「オゴオゴ」と呼ばれるパレードです。地域ごとに鬼をモチーフにしたオゴオゴを手作りし、大きな音を鳴らしながら、街中を練り歩きます。悪霊は、このオゴオゴに乗り移ると言われ、パレードのあとは燃やされます。外出禁止や灯りが使えないのは不便ですが、当日にしか見られない、静かな夜に見上げる満天の星は、美しすぎて感激すること間違いなしです。
ニュピ明けの朝は、一切の雑音が消え、聞こえるのは鳥の声と風の音だけ…世界に、自分一人しかいないような、不思議な気分になります。ニュピを終えたバリ島の空気は、排気ガスを取り去り、清々しい新しい年の出発となるのです。世界中でもなかなか体験することができない、神秘的なセレモニーです。ちなみに2017年のニュピは3月28日です。
バリサロン・長谷川 美穂


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