試しにタバコを「ひとつ」頼んでみると
セブの「ひとつ」は…?
ここ数年でセブの街にもコンビニエンスストアが立ち並ぶようになってきました。しかし一歩住宅地に入るとまだまだ多くの「サリサリストア」が点在しています。この「サリサリストア」は庶民のコンビニエンスストア。お店には、歯磨き粉やシャンプー、石鹸などの生活用品から、お菓子やジュース、塩や油などの調味料、お米などまで生活に必要となる必要最低限の物が大抵揃っています。
そんなサリサリストアや外の物売りから物を買う時、セブならではの風景を目にすることができます。例えば、「シャンプーを1つ」「インスタントコーヒー(の粉)を1つ」と頼んでみます。すると、頼んだものが1回分の量で出てくることがよくあります。シャンプーやコーヒーなどは既に1回分に小分けされた商品があり、油や塩などは、1回分の量がビニール袋に分けられていたりするのです。もちろん、そういった場所では赤ちゃん用のオムツや薬も1回分での販売になります。日本では、1つと頼んだらまとまった袋のまま、箱のままで購入で
すが、セブのローカルな地域では、1つ=1回分で購入ができるものが多いのです。その日暮らしの人々が多いセブ島ならではの数え方ですね。
以前、喫煙をする友人がセブに遊びに来た際、ローカルのレストランへ行きました。その際、店のスタッフに、「タバコ売ってる?」と聞くと、「あります。いくつ?」と聞かれたので、人差し指を立てて「1つ」と答えました。すると、暫くして店のスタッフが、タバコを持って戻ってきました。手にはタバコが1本。それを受け取った友人は目を丸くして驚いていました。セブのローカルな場所では、タバコも1本売りで買えるんですよ。
いろいろな数え方
フィリピンは、300年以上もの間スペインに統治されている時代がありました。そのため、現在でもセブの言語「ビサヤ語」には、多くのスペイン語が混じります。その後、何十年かにわたりアメリカの支配下にもあったため、人々が英語を話す割合もとても高いです。
日常生活の中で、セブの人々は数を数える時や個数を伝える時は、現地の言語ビサヤ語で「ウサ、ドゥハ、トロ…」と数えます。しかし、お金や時間に関してはスペイン語を利用するので「ウノ、ドス、トレス…」。そしてスーパーやショッピングモールでの商品の値段やレジ、または携帯電話番号に関しては英語の「ワン、トゥー、スリー」を使うのが一般的です。そして、マニラや別地方の人とは、タガログ語の「イサ、ダラワ、タトロ…」を利用します。生活の中で、場面や物によってごく自然に様々な言語で数字を利用しているセブの人々には驚かされます。
ただもちろん、私たち外国人に対しては数を数える時もおカネや時間も英語を使ってくれるので、困ることはありませんよ。
(セブサロン①・畑林 あや)