ロングステイ(長期滞在型余暇)に関する調査報告書
ロングステイ調査統計2016 最新号 発刊のご案内
●海外ロングステイ推計人口は157万人!
※海外旅行者数は3年連続減少の中、ロングステイ推計人口は増加の傾向
※ロングステイの目的の多様化が進む~19歳以下、40代、50代、65~69歳の層で増加~
●国内ロングステイの推進、キーワードは滞在施設の拡充!
※リピーター獲得にはロングステイ~ロングステイへの関心は38.7%、ロングステイ経験者では55.8%に~
※国内ロングステイの阻害要因は滞在施設に関するものが上位3つを占める
一般財団法人ロングステイ財団(事務局:東京都港区、会長 舩山龍二)は、11月7日に「ロングステイ調査統計2016」を発刊します。本調査統計は、2015年( 4月~12月までの9ヶ月にわたり)当財団が主催、後援、出展したセミナー、イベント等で回収した記述式アンケート調査結果と不特定多数に向けたインターネット調査結果、および諸機関の統計資料を分析し、ロングステイ(長期滞在型余暇)の動向やトレンド、今後の予測・提言について当財団が纏めたものです。
本年は、国内ロングステイに関する情報を拡充したほか、インバウンドロングステイに関する項目を加え、さらに深くロングステイを取り巻く環境、市場動向について報告しています。加えて、本調査に使用したアンケートデータを提供し、長期滞在観光政策、長期滞在を取り巻く産業の実務に関わる方、研究者の皆様に幅広く活用いただける統計資料となっています。
★11月9日(水)15:30~ 虎ノ門ヒルズカフェ(虎ノ門ヒルズ2F)にて、同調査統計でまとめたロングステイ最新動向について解説いたします。詳細は添付資料(1)をご参照ください。
「ロングステイ調査統計2016」概要
- <発行・編集・販売> 一般財団法人ロングステイ財団
- <定価> 【紙版】本体7,000円+税、【デジタル版】本体5,000円+税
- <購入方法> (一財)ロングステイ財団、全国官報販売協同組合、Amazonにて販売予定
≪引用・転載時のクレジット表記のお願い≫
本リリースの引用・転載時には必ず「ロングステイ調査統計2016」とクレジットを明記いただきますようお願い申し上げます。
アンケート調査方法
一般財団法人ロングステイ財団では、下記の2つのアンケートを用いて調査を実施しています。
- 調査名 :ロングステイに関するアンケート
- 調査対象:ロングステイ財団が主催・後援・出展したロングステイセミナーやイベント参加者
- 調査方法:記述式アンケート調査
- 調査項目:(1)海外ロングステイについて(2)国内ロングステイについて
- 調査期間:2015年4月1日~12月31日
- 回答者属性:
- 調査名 :今後の余暇の過ごし方についてのアンケート
- 調査対象:全国20歳以上の男女
- 調査方法:インターネット調査
- 調査項目:(1)海外ロングステイについて(2)国内ロングステイについて(3)その他
- 調査期間:2016年2月25日~26日
- 回答者属性:
ロングステイの定義
海外においては、生活の源泉を日本に置きながら海外の1ヶ所に比較的長く滞在し(2週間以上)、その国の文化や生活に触れ、現地社会での貢献を通じて国際親善に寄与する海外滞在型余暇を総称したものである。
国内においては、主たる生活の拠点のほかに、日本国内の他の地域にて比較的長く(1週間以上)あるいは繰り返し滞在し、その滞在地域のルールを遵守しつつ地域文化とのふれあいや住民との交流を深めながら滞在するライフスタイルをいう。
TOPICS
TIPICS(1) 海外ロングステイ推計人口は157万人!
海外は2週間以上の期間をロングステイと定義しているが、法務省の「滞在期間別 帰国日本人の年齢及び男女別数値」をもとに推定した海外ロングステイ推定人口(市場規模)の統計数値の数は着実に拡大しており、2015年は157万632人と微増となった。これらの状況から、ロングステイ市場は為替リスクや地政学リスクの影響を受けにくいと考えられる。一方、2015年の海外旅行者数は1621万人となり前年と比較して4.1%の減少となった。日本人のロングステイ推定人口は、海外旅行者数と連動するような形で推移をしてきたが、海外旅行者数のピークを迎えた2012年を機に海外旅行者数は減少しているのに対し、ロングステイ推定人口は増加傾向になっている。このことから、ロングステイ市場は、海外旅行市場とは異なり、比較的為替リスク、地政学リスクにも強いと言われる市場ではあったものの、その傾向はさらに高まり、安定したマーケットであるということが言えるだろう。(図1)
2012年以降のロングステイ推定人口を年代別で見ていくと、19歳以下、40代、50代、65~69歳の層で増加傾向が見られた。現役世代でもある40代、50代の伸びは、ワーク・ライフ・バランスの重要性が指摘されている中、ライフスタイルとしてロングステイが徐々に認知され、共感されたという裏づけになっているのではないかと推測できる。また、65~69歳の伸びについては、60歳以降の雇用延長が進んだことにより、65歳以降になってからロングステイを開始するという傾向があるためと考えられる。さらに、注目したいのが、19歳以下の推移である。海外旅行離れが進んでいると言われている若年層だが、グローバル化の中で国際感覚の養成や、キャリアアップの手段としてロングステイが選択されていることが考えられる。今後もこの傾向は強くなることが予想され、この市場は潜在性があると言える。(図2)
TIPICS(2) 国内ロングステイの推進、重要なキーワードは滞在施設
「インターネット調査」で、国内に1週間以上の滞在型旅行の経験値を尋ねたところ、「経験がある」と回答した人は22.2%と、5人に1人が国内長期滞在を経験している結果になった。海外の長期滞在経験数値は27.6%であることから、この数値は決して低い割合ではない。22.2%の回答者を世代別・男女別を見ると、男性は20代と60代以上の両極が高く、女性は若い世代は低く、50 代以上が高いという結果になった。
また、関心度の設問では全体で38.7%が「関心がある」と回答したのに対し、国内1週間以上のロングステイ経験者に絞ったところ、関心度は55.8%に上昇する。つまり、ロングステイ経験者はリピーターになる可能性が高いということがわかる。(図3)
国内ロングステイに関する阻害要因を尋ねたところ、上位3つの回答が全て滞在施設に関するものとなった。(図4)さらに、「国内ロングステイ滞在施設に必要な条件」について尋ねたところ、「週単位・月単位の料金体系が欲しい」が60.4%と極めて高い結果であった。日本国内の宿泊・滞在料金体系は、1泊、2泊単位、一人当たり単位が基本で発達してきたため、長期型料金体系がないことが多い。この点が長期滞在型旅行、ロングステイ普及の障害にもなっているようだ。また、主に旅館や民宿の食事・宿泊一体型が主流であったため、部屋単位の料金体系がないこともロングステイでは使い勝手が悪く、割高になり、普及拡大の障害となっている。つまり、既存の滞在施設も料金形態、泊食分離を進めることで、国内ロングステイ市場の取り込みが可能で、国内ロングステイを推進することでリピーターを増やすことが可能だと考えられる。(図5)
添付資料(1)ロングステイ調査統計2016 メディア発表会のご案内
このリリース関するお問い合わせ先 |
一般財団法人ロングステイ財団 03-3591-8144(平日9:30~12:00、13:00~17:00)
担当:常岡・川嶋・佐藤
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