私は旅行医学を専門とする医師で、大人の心も子供の心も育てる旅育をライフワークにしており、折を見て子供達を連れて地球をお散歩しています。
今年のお盆休みには4人兄妹の7歳の末娘と2人でケニアに行って参りましたので少し旅の紹介をさせていただきます。
行先はナイロビ国立公園とアンボセリ国立公園。アフリカの大自然を7歳の子供に触れさせるのが目的です。
ナイロビ国立公園では国立公園内にあるオロロサファリロッジに宿泊しました。双眼鏡を構えると、アフリカの野生動物が見えるロケーションはアフリカの国立公園ならではです。ケニアというと赤道直下の国なので、一年中暑いところと思われがちですが、標高が高いので、日本でいうと軽井沢にいるような感じです。昼夜の寒暖差が大きく、昼間は半袖で心地よくても、夜はジャケットを着て、暖炉にあたるような気候です。お食事はイギリスの植民地であった歴史の影響もあり、比較的日本人の口に合うものが多かったです。
ナイロビ国立公園では野生動物を見るためにサファリゲームドライブに何度か出かけました。キリン、インパラ、カバ、ワニ、ライオン、ダチョウ等々たくさんの野生動物に出会いました。野生動物の背景にビル群が立ち並ぶ景色はナイロビ国立公園の特徴です。
現在ナイロビからモンバサに続く鉄道工事が行われており、ナイロビ国立公園を横切る高架を建設中でした。完成すると野生動物のいる国立公園内を列車が疾走することになりそうです。
ナイロビ国立公園では動物園や図鑑でしか見たことがないような動物達に出会いましたが、誰でも知っている象はいないので、野生の象が見たい娘を連れ、4日間滞在したナイロビを後にしてアンボセリ国立公園に向かいました。
サファリ用のバンとドライバーをチャーターし、赤土の砂ぼこりをあげながら、約4時間のドライブです。アンボセリ国立公園に近づくにつれ、ナイロビのような都会とは程遠い、アフリカらしい景色が広がってきます。
国立公園の入り口では標高5895mのキリマンジャロ山が出迎えてくれました。国立公園に入ると象の楽園と言われるように、たくさんの象に出会います。バンのほんの数メートル先に巨大な象がいると、若干の恐怖さえ感じる迫力でした。アンボセリ国立公園内にはマサイ族の集落がいくつもあり、その一つに訪問しました。テレビでしか見たことがないような象の糞で作られたマサイ族の家にも入れて頂いたり、マサイに伝わる伝統医療の話を聞いたりしました。
7歳の娘はアフリカの自然と人々に触れ、旅の楽しさをまた一つ増やし、精神的にも成長したようでした。
(登録ロングステイアドバイザー・小杉 由起)