「チェンマイから昨日帰って来たよ。」真っ黒に日焼けしたKさん。今回は2か月だったけどアッという間だったなあ、と物足りない口調だ。
何をしていたのか、と聞くと「ゴルフとテニスと街歩きなどいろいろだよ。」との答え。やることは事欠かないようだ。「私たちは今度の冬に3か月いくのよ。」という別のご夫婦。そんなにたくさんの人を魅了してやまないチェンマイ。これは好奇心旺盛な私としてもぜひ行ってみないと気が済まない。早速手帳を開けて予定を確認し予約した。そして今年の冬に初めて憧れのチェンマイへ行ってみた。
チェンマイ空港に着いたときは夕方だったので、そのまま滞在予定のオーキッドホテルへ向かった。ホテルの手前に魚やエビを焼いたもの、オムレツのようなものの屋台がたくさん出ていて香辛料が食欲を誘う。値段を聞くとみな100円以下である。やはり味が日本人の口に合うことと、物価の安さがみんなをチェンマイのとりこにする理由の一つなのではないかと感じた。
私が描くチェンマイのイメージは、日本の昔話に出てくるようなどこか懐かしい村である。チェンマイに行く前に、「チェンマイってどんな感じなの?」と聞くと、何回でも来たくなるお洒落なところ、とのことである。
来てみてびっくりした。大きなショッピングセンターがホテルのすぐ横にあるではないか。そこにはスーパーあり、ケンタッキー・フライド・チキンもあり日本と変わらない便利さである。これなら暮らしも便利で困らない。
そうだ、これがチェンマイの魅力の2つ目なのかも知れないと思った。でも、友人の言うお洒落なチェンマイにはまだその時点では出会っていなかった。
その次の日、一足先にチェンマイに来ていた友人がNimmanhemin Road(ニーマンへミンロード)を案内してくれた。ソンテウというオープンエアーの乗り合いタクシーに乗る。そのうち大きなリンカム交差点に出た。そこにはシンガポールにあるような近代的なショッピングモールMAYAがあった。そしてそのMAYA の路地を少し入るとそこにはひっそりと黄金の寺院がある。さらに道路と反対側の通りに入るとフレンチコロニアル風の平屋建てブティックや雑貨店が並んでいるNimmanhemin Road に続く。ここはフランスかなと思わせる香りがした。ああ、これが友人のいうお洒落なチェンマイなのだと謎が解けた気がする。ここにはプチフランスの風が吹いているようだ。
そして次の日旧市街へ向かった。石造りの長い塀に囲まれた空間の内側へ入ると、そこにはお土産屋さんからオープンエアのカフェ、レストラン等連なる。そして、その間に荘厳な寺院が点在していて買い物する人たちやお参りする人たちなどみな思い思いのまま散策を楽しんでいる様子である。
古い街並みと新しい街が上手にマッチしていて町全体がマーケットのようなところ、そして人を飽きさせないのがチェンマイの大きな魅力となっているのだろう。
来年もやっぱり行きたいな、と思ってしまう不思議な魅力がある街である。
(登録ロングステイアドバイザー・丸山俊江)