ワイを使いこなせるようになりましょう
公私を問わず、常識的な振る舞いをしていれば問題ありません。日本人として当たり前の振る舞いをしているとそれだけで「きちんとしている」と見られます。
タイにおける、タイ人基準の「訪問のマナー」は、日本人の感覚では、善くも悪くもおおらか、緩やかです。しいて言えば、そのような場に遭遇しても目くじらを立てて「怒らない」「気にしない」、違いを違いとして受け入れることが秘訣なのかもしれません。
ワイの挨拶
おはよう、こんにちは、こんばんはの区別なく「サワディー・クラップ(女性はカー)」と言いながらワイ(合掌)をします。日本人にとっての合掌は、祈りの場面でしかしませんから、ワイで挨拶をされると最初は感動しますね。ワイは相手に敬意を表すものです。
日本人も大いに真似をすべきだと思いますが、少しだけコツがあります。目下の者が先にワイをする。それに対して目上の者が軽くワイを返す。相手の地位、年齢によってワイの位置が異なる。明らかに年下だったり、ウエイトレスなどに無闇にワイはしないなどなど。
タイ人の赤ちゃんは言葉を覚えるのよりも先にワイをすることを覚えると言います。そして、どの相手にどの程度のワイをするのかも成長とともに学び、瞬間にどのようなワイをすべきか身につけていくのですね。
あればうれしい手土産
無ければいけないというものではないですが、あれば嬉しいのは日本と同じです。元々農村社会でしたから「私のものはあなたのもの、あなたのものは私のもの」という意識があったようです。例えば市場で果物をたくさん買ったので訪問先にお裾分けとして持っていくという程度でも、気持ちは通じると思います。
タイ時間に慣れる
タイ時間というものがあります。特に結婚式。時間通りに行くと、その時来ているのは日本人だけということがよくあります。早く行くと、準備ができていないので、ある程度遅れて行くのがマナーです。いつの間にか始まり、いつの間にかお開きになっているというのがタイ式結婚式。ある程度の人数が揃ったというタイミングで国王讃歌が吹奏され全員起立します。会場の雰囲気が一気に厳かなものになる瞬間です。これが結婚式開始の合図となります。
いかがでしょうか?何かにつけておおらかなタイ。それに合わせて過ごすというのも結構です。でも時間を守る、礼儀正しいという日本のマナー、美徳を伝えていくのも、この地に住むロングステイヤーの役割なのかもしれません。
(タイ・バンコクサロン(1)谷田貝 良成)